(2011年度博士前期入学、2025年度博士後期修了)
私は文化交渉学専攻の第一期生として入学しましたが、創設間もない専攻であったため、見通しが定まらず不安を感じることもありました。しかし、多様な専門をもつ先生方や院生との対話を重ねるなかで、自らの研究をより広い視野から捉える力を養うことができました。当初は明治期の翻訳文学を研究テーマとしていましたが、学際的な研究環境の中で関心は次第に広がり、博士論文では明治期に日本で活躍したフランシス・ブリンクリーを主題としました。ブリンクリーは辞書編纂やジャーナリズムなど多方面で活動した人物であり、文化交渉学専攻の横断的な学びの中でこそ取り組むことのできたテーマであったと感じています。ぜひ、この学際的な環境を生かし、存分に研究に取り組んでください。
(2024年度博士前期入学、2025年度同修了)
文化交渉学専攻では研究分野を跨いだ学習が可能です。研究分野が複数ある、あるいは多分野から研究対象にアプローチしたい学生に適した専攻だと感じています。それ故に専攻の授業や教授の研究分野と自分の研究分野に距離がある場合もあります。専攻全体が同じ方向を向くというよりも複数の分野から多角的に研究対象について学べたので個人的には新しい発見が多いように感じました。
文化交渉学専攻は自由に好きな事を研究できる専攻だからこそ、アカデミアへの進学を考えているのであれば、修士課程は研究の第一歩として自力で計画から修了までを行う練習とし、様々な分野で活躍する教授がいる環境を活用して一つの分野に特化した専攻では補えない視点を養う場として文化交渉学専攻を選ぶべきであると感じています。専攻内容と各教授の分野や授業内容の相性をよく吟味した上でこれから進学する学生が自分に合った環境で多角的に学習できる事を願っています。
(2024年度博士前期入学、2025年度同修了)
文化交渉学専攻は、さまざまなことに興味を持つ学生が集まる場所です。扱うテーマは実に多様ですが、その根底には「異文化への関心」という共通の軸があります。異なる社会や価値観に心を動かされ、自分の“ワクワク”を出発点に探究を深めていく。その姿勢こそが、この専攻の大きな魅力だと思います。
修士課程で一つのテーマを掘り下げることは、決して簡単ではありません。思うように進まないことや、自分の問いに自信が持てなくなる瞬間もあります。そんなとき、支えになるのは研究対象への「愛着」だと私は感じました。それは単なる「好き」という気持ちではなく、「この問いに向き合うのは自分でありたい」と思えるかどうかという、小さな責任感です。その思いが、壁にぶつかったときにも考え続ける力になります。
ぜひ皆さんも、自分が心から関心を持ち続けられるテーマを見つけ、この場所で自分なりの問いを深めていってください。その問いと向き合う時間は、きっと皆さんにとってかけがえのない経験になるはずです。