こんにちは。史学科3年西洋近世史ゼミ所属の柴﨑です。
2026年の9月の夏休み期間に、金沢にて2泊3日のゼミ合宿を行いました!
坂野先生率いる西洋近世史のゼミ合宿は、例年、研究報告会などはなく、ゼミ生同士の親睦を深め、ひたすらに旅行を楽しむといった形なのが特徴です。金沢の歴史に触れながら、同じゼミの先輩後輩同士の絆を深め、時には臨機応変に行程を変えつつ、ゆるく旅行を楽しめたと思います。そんな西洋近世史ゼミのゼミ合宿の様子をこちらでご報告させていただきます。
【1日目】
初日は11時ごろに金沢駅に集合しました。現地集合現地解散がゼミ合宿の鉄則なのだとか。一人も遅れることなく、無事、合宿開始です。
ホテルに荷物を預けた後は、金沢駅近くの中華料理屋、菜香樓で腹ごしらえ。加賀野菜や、金沢で水揚げされた海鮮と中華を組み合わせた料理が売りのお店で、金沢の食材を早速堪能しました。カニが上に乗っかった天津飯や、ラーメンなどをいただきました。想像以上に量が多く、満腹になったので、金沢を歩きながら消費することにしました。
近江市場を抜けて、まず初めに向かったのは、金沢城公園の北西に位置する尾﨑神社。尾﨑神社は1643年に加賀藩4代藩主前田光高が、曾祖父である徳川家康公を祀るために、金沢城の北の丸に建立された神社です。1878年(明治11年)に金沢城に陸軍省が駐屯することとなり、現在地に移転したそうです。実際、訪れた時には、ちょうど儀式が行われているタイミングで、神社ならではの太鼓の音が周辺に響いていて、静かで心が落ち着く空間でした。

続いて訪れたのは、尾山神社。尾﨑神社から南に歩いて徒歩5分の位置にあります。この神社は、加賀藩の祖前田利家を祀る神社として1873年に創建され、公園のような緑あふれる敷地の中に本殿が静かに佇んでいました。神社の敷地内には、天使が組体操をしている像や、大きなきのこのデザインのオブジェが飾られていて、金沢のアートな雰囲気を節々に感じました。特徴的なのは、1875年(明治8年)に建築された神門で、当時前例のない和洋折衷のデザインで作られています。初層の三連アーチの骨組は、日本建築の技法で組み込まれた完全な木造で作られ、三層目には四方に四色のギヤマンがステンドグラスのように嵌められていました。屋根頂部の避雷針は、現存する日本最古のものとされています。かつては三層目の部分に灯をともして、金石近海を通る船に灯台の役割をしていたそうです。金沢の港町としての側面を少し垣間見ることができました。

次に向かったのは、金沢城公園。加賀、能登、越中の百万石を超える領地を治めた加賀藩前田家の居城である金沢城は、金沢でも屈指の観光名所です。2001年に復元された菱櫓・五十間長屋の内部には、金沢城の歴史や復元の際に使われた技術の解説などが展示されており、中に入ってゆっくり鑑賞することができました。菱櫓や五十間長屋は、御殿のある二の丸を守るための一連の建造物で、菱櫓には石落としが多く設置されており、櫓を結ぶ五十間長屋は普段は倉庫として用いられました。五十間長屋も非常時には砦になれるように石落としが各所に設置されており、実戦的な建造物であったことが分かります。実際に中に入ると、出格子窓が複数設置してあり、内部にも涼しい風が吹き込む、心地の良い空間が広がっていました。

続いて、金沢城公園に隣接する兼六園にも向かいました。兼六園も、金沢城と同様に言わずと知れた金沢の名所の一つで、江戸時代の代表的な大名庭園として歴代の加賀藩主により、長い年月をかけて作られた庭園です。ここでは、ゼミのみんなでひとまず、一周回った後に、各自自由に散策することにしました。兼六園の近くには、一休みできる茶屋やカフェが多数あり、そこで少し休憩をしました。というのも、ここまでずっと徒歩続きということで、皆さんの足も割と限界を迎えていました。行程を組んだ私も、さすがに歩きすぎている、お昼の中華はとっくに消費しているよとおもいつつ散策していたので、この自由時間中にカフェに入って、加賀棒茶ラテをいただきながらゆっくり足を休めることにしました。
最後に訪れたのは、長町武家屋敷跡界隈。ここでは、ゲストとして金沢工業大学の高橋元貴先生をお迎えして、この地区の詳しい解説を聞きながら散策しました。長町武家屋敷跡界隈は藩政時代に武士たちが暮らしていた豪壮な屋敷跡が立ち並ぶエリアで、昔ながらの土塀や石畳の小路が残っていることから、金沢の中でも特に歴史的な趣を感じられる場所になっています。高橋先生曰く、この地区の魅力は単に江戸時代の町の景観がそのまま保存されているという点ではなく、界隈全体を通して近世の街並みの裏に近代の街並みが見られるといった重層的な都市景観が残されている点にあるそうです。例えば、もともと武家屋敷があった広大な敷地が分割され、一つの敷地の中に複数のアパートが存在している土地が存在したり、昭和に入ってから道路が整備された後に建設された家屋が、江戸時代からある武家屋敷のすぐ隣で軒を連ねていたり。一見すると見逃してしまうような些細な街の特徴に注目し、街の歴史を辿る散策は、現地でのフィールドワークがなかなか叶わない西洋近世史ゼミにとって都市史的な視点で街を捉えなおす貴重な経験となったと思います。


そうして一日中金沢の町を歩いた後は、旬魚季菜とと桜さんで夕食を食べました。こちらは、金沢の食材を用いた豪華な和食のコースで、全品とても美味しかったです。なんと、今回の合宿に参加したメンバーには2人も、魚全般食べられないという偏食さんがいて、その話題で盛り上がりました。金沢で海鮮が食べられないというのは少し大変そうなので、ゼミのみんなで心配しましたが今回のコースには能登豚のローストポークもあったので、辛うじて偏食な二人も無事食事を楽しむことができたと思います。
さて、そんなこんなで始まったゼミ合宿1日目の記録はこちらで終了です。2日目は能登半島までお出かけする予定ですが、どうなるのでしょうか。次回もお楽しみに。