2026年9月に行った、西洋近世史ゼミ合宿の報告の続きになります!
(1日目、2日目の記事もあわせてご覧ください。)
【3日目】
3日目も朝早くから行動開始しました。7時半には宿泊した宝仙閣で朝食をとり、9時ごろに宿を出発しました。徒歩で向かった先は和倉温泉お祭り会館。この施設は石川県七尾市の祭りの紹介や、山車の展示を行っている能登の観光施設で、特に七尾市を代表する青柏祭、能登向田の火祭、石崎奉燈祭、お熊甲祭という4つの祭りについて、詳しく紹介されていました。青柏祭で使用される山車は、高さ約12メートルと巨大で、実際館内で展示されている物を見ても、これを人力だけで動かすのかと疑ってしまうほどでした。車輪だけでも、男子学生の身長を以上の大きさでした。山車を実際に動かすためには写真のような道具をつかって、てこの原理で持ち上げ、方向転換を行うようですが、この道具だけでも重量があるため動かすのには相当な力が必要そうでした。施設の方の説明を一通り聞いた後は、大画面スクリーンに映し出されるお祭りの映像を見ながら、実際に綱を引っ張り映像の中の山車を動かすという変わった体験もしました。10人程度で掛け声に合わせて、綱引きの要領で綱を引きます。最初はびくともしなかったスクリーンの山車がだんだん動くさまには、達成感を感じ、お祭りを通して感じるような一体感を疑似的に体験したように思いました。重くて巨大な山車を何時間も引き続けるのは肉体的にも精神的にもこたえるものだとは思います。ただ、その行為自体が地域や人々の結びつきを強くしていく意味を持っているから、祭りの文化が現在も継承され続けているのだと強く感じました。




お祭り会館を後にしたのち、40分ほど歩いて和倉温泉駅へ行き、能登かがり火という名前の特急列車にのって、金沢まで移動しました。お昼は、金沢駅付近のイタリアンへ。石川県産の食材を使ったパスタやピザを堪能しました。そのあとはバスに乗って、鈴木大拙館へ向かいます。鈴木大拙は石川県金沢市生まれの仏教哲学者で、禅の思想を世界中に広めた人物です。鈴木大拙館は、彼の考えを広め理解を深めるとともに、来場者自らが思索する場として利用することを目的に創設された施設で、館内には鈴木大拙に関する展示のほかに、フォトスポットにもなっている水鏡の庭や、水鏡の庭に面し、庭を眺めながら思索にふけることのできる思索空間などがありました。館内からは外が見えない作りになっていて、静かで落ち着いた時間を過ごすことができました。

そして、西洋近世史ゼミ合宿最後に向かったのは、石川県立歴史博物館。なんといっても歴史を学問する史学科ということで、歴史に関する施設を訪問して解散することにしました。石川県立歴史博物館は赤レンガの3棟の建物からなっていて、かつては陸軍兵器庫、戦後は金沢美術工芸大学に使用されていたそうです。館内では、名前の通り、石川県の歴史や文化に関する展示がされており、ゼミ合宿の最後を飾るのにふさわしい場所でした。私たちは原始から近世までの石川県の歴史を辿ることができる第一展示室と、近代と民俗について学ぶことができる第二展示室を見学しました。個人的に特に印象的だったのは、第二展示室の特大兼六園ジオラマや、祭りに関する史料の展示です。3日間を通して金沢や能登を巡ったうえで、改めて訪問した施設や学んだ文化に関する展示を見て、3日間の出来事を思い出すとともに、展示に関する興味や理解がぐっと深まったように思いました。現地へ足を運んだり、現地の人からお話を聞いたりして自分で経験したことを史料から分かる歴史と組み合せることで、史料を見るだけでは得られない深い理解に繋がるということに改めて気づかされました。

今回のゼミ合宿を通して、石川県の金沢や能登の歴史や文化について深く知ることができました。西洋近世史ゼミは、普段から石川県の歴史を研究しているゼミではありませんが、1日目の長町武家屋敷の見学からは都市史研究の視点を学び、2日目の能登観光では被災した地域を見学することで何を歴史として残すか、そして3日目の歴史博物館を通してどう歴史を残していくかについて各々考える機会になりました。ゼミに直接通じるわけではなくとも、史学科として考えるべきテーマを節々に捉えたよい合宿だったと思います。また、移動中や食事の際には3年生と4年生が混ざって話をする機会が多く、ゼミ生同士の絆も深まったように思います。3年生が主体となって行った初めてのゼミ合宿で、準備も含め各自苦労したことはあったと思いますが、結果として無事ゼミ合宿を終えることができてよかったです。
2026年の西洋近世史ゼミ合宿の報告はこちらで以上になります。最後までお読みいただきありがとうございました。
