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哲学科の特色

  • 哲学科とは
    上智大学文学部哲学科(Department of Philosophy)は、大学創立以来の教育・研究の蓄積を基盤として、哲学の主要領域を体系的に学ぶ場です。本学の名称「上智」は、ギリシア語 σοφία(ソフィア:叡智) に由来します。しかし、ここでいう叡智は、特定の結論や信条を与えるものではありません。むしろ、問いを立て、根拠を吟味し、概念を精密に扱い、議論を組み立てるための知的営みと、そのための力を指します。

    哲学科の学びは、古代から現代にいたる哲学史の理解を土台としつつ、哲学思想、倫理学、芸術文化などの領域へと広がります。どの領域においても中心にあるのは、原典や主要研究文献を丁寧に読み解きながら、論点を的確に捉え、概念を整理し、反論の可能性を見据えて主張を組み立て、それを文章と口頭の双方で説得的に表現する力を段階的に養うことです。

    本学科には、多様な関心をもつ学生が集います。少人数の演習や研究指導を通じて、学生は学術的対話の作法を身につけ、他者の議論を正確に理解し、自らの考えを根拠に基づいて明確に示す力を培っていきます。卒業後の進路は、研究・教育にとどまらず、出版、文化・芸術、報道、行政、企業など多岐にわたります。そこで共通して求められるのは、複雑な問題を丁寧に読み解き、根拠に基づいて判断し、他者と対話できる力です。哲学科は、その基礎となる思考と表現の訓練を、継続的に支えることを目的としています。
  • 学習環境の特徴
    哲学科の授業は、講義に加えて、討論・発表・文章作成を重視する演習(ゼミナール)を大きな柱としています。多くの授業は比較的少人数で行われ、学生は原典や主要研究文献の読解を通じて、思想の歴史的・文化的文脈を踏まえながら議論する姿勢を身につけます。異なる伝統や立場にまたがる論点を比較し、前提の差異を丁寧に見極めつつ思考を組み立てることは、哲学の訓練であると同時に、現代社会の多様な場面においても重要な基礎となります。学生は教員の助言とフィードバックを受けながら、読解・論述・発表の力を実践的に高めていきます。授業によっては、学期を通じてテキストの精読、レジュメの作成、討論の運営、論文執筆へと段階的に進み、学びの過程そのものが方法の訓練となるよう構成されています。

    学習環境の面では、中央図書館をはじめとする学内の研究環境を活用することができます。また、学生の自習や交流の拠点となるスペースも設けられており、授業外にも読書会や研究会などの活動が継続的に行われています。大学院生や外部の研究者が参加する機会もあり、学内に閉じることなく、より広い対話の中で学びを深めることができます。

    哲学科の学修で重視されるのは、量よりも精度です。授業への継続的な参加、読解の準備、文章による表現、討論への貢献を通じて、学生は学期を通じて着実な学修の習慣を形成していきます。これは単なる心構えではありません。哲学という学問が、本質的に、読むこと、考えること、書くこと、議論することの反復によって成り立っているからです。
  • 哲学科を希望する皆さんに
    哲学は、短期間で結論や正解を得るための学問ではありません。むしろ、問いの立て方、根拠の吟味、概念の精密化、議論の公正さを重視しながら、時間をかけて思考の方法を身につけていく学問です。学部での学びは、その出発点として、原典や基本文献を丁寧に読み、論理的に考え、それを適切に表現する力を養うことにあります。

    哲学科で求められるのは、特定の思想や立場に従うことではありません。自ら問いを立て、他者の議論を正確に理解し、批判的に検討しながら、自分の考えを深めていく姿勢です。読書が好きであること、議論に関心があること、曖昧な問題を性急に片づけるのではなく、粘り強く考え続けられることは、この学びにとって大きな力になります。他方で、入学の時点で十分な知識を備えている必要はありません。大切なのは、丁寧に読み、根拠に基づいて書き、対話を通じて考えを深めていこうとする意欲です。

    上智大学哲学科は、哲学を本格的に学びたい人、自ら考え、他者と議論し、思考と表現の力を着実に鍛えたい人を歓迎します。哲学の学びは、容易なものではありません。しかし、問いを問いとして引き受け、言葉と思考を磨いていく経験は、大学での学びの中でも固有の意義をもつはずです。

哲学科Q&A

西洋哲学が中心ということですが、それ以外の哲学も学べますか?

日本思想や東洋思想、仏教思想の科目が開講され、西田幾多郎など日本近代哲学や日本思想一般、大乗仏教や浄土教、儒教などの東洋思想も学びます。現代の倫理や美学も学べます。

外国語の学習について教えてください。

哲学の研究は原典講読が中心となるため、哲学科では語学学習を重視しています。第1外国語は、ドイツ語または英語です。ドイツ語は近現代のドイツ哲学、形而上学や認識論の宝庫です。国際標準語の英語は、言語哲学、倫理学、芸術論、公共哲学等の分野で新しい現代哲学を生み出しています。その他フランス近現代思想の理解にはフランス語が必要ですし、哲学の古典の勉強にとって必須の古典ギリシア語やラテン語も履修できます。