こんにちは! 中澤ゼミのTです。ゼミ合宿2日目のレポートになります。
2日目は朝の勤行から始まりました。空が白み始めた頃に起床し、6時30分の始まりにあわせて準備をします。宿泊している他のお客様方と一緒に、落ち着いた気持ちで勤行に臨みました。まず宿坊のお坊さん方が読経を始めます。響き渡る読経の中、私たち参加者が一人ずつお焼香をしました。その後、お坊さんと一緒に、「仏教摩訶般若波羅密多心経」と「御真言」を一緒に詠み上げ、朝のお勤めは終わりになります。普段はここで終了ですが、この日は月に一度の不動明王の縁日(毎月28日)で不動護摩の法というお焚き上げがあり、そちらも見学させていただきました。火の力を用いて供物を焼き、息災や増益を祈る儀式だそうです。日常生活では体験できない貴重な機会をいただき、宿坊ならではの文化体験となりました。

朝食では、昨晩に引き続き精進料理をいただきました。一見何の変哲もない味噌汁ですが、実は高野山ならではのお出汁が使われています。昆布や干し椎茸などを煮出し、旨味を最大限抽出する繊細な技法が用いられています。動物性たんぱく質をとらずに、出来るだけ食を豊かにしようという先人たちの知恵と工夫が、ここでも発揮されていました。このような普段とは違う味わいのお出汁を堪能し、2日目の旅に出発しました。
高野山を後にした私たちはまず、かつらぎ町を訪れました。ここは、中世に栄えた桛田荘があった地域です。現在では、「世界遺産・紀伊山地の霊場と参詣道」を構成している丹生都比売神社が有名です。読み方は「にうつひめ」神社となります。そんな土地に降り立ち、かつらぎ町歴史民俗資料館を訪れました。この資料館は2025年に開館したばかりで、住民の生活に宗教がいかに浸透していたか示す展示が常設されています。
そこから歩いては丹生都比売神社に向かいました。道中、「西行妻娘宝篋印塔 鬼王の墓」という中世の遺跡があり、寄り道しました。しかし、地図上ではあるとされているものの、なかなかそこへ至る道が見つかりません。しばらく私たちが右往左往していたところ、茂みに覆われた山道を発見しました。一見、壁にしか見えない山肌に小さな案内板があったのです。険しい道を進んだ先に、「西行妻娘宝篋印塔 鬼王の墓」がありました。そこには、四基の宝篋印塔と複数の一石五輪塔がありました。中世の遺物を間近に見ることができ、貴重な経験となりました。

寄り道の後、丹生都比売神社に向かいます。入口の近くでは、「大念仏一結衆宝篋印塔」という中世の遺物を見ることができました。南北朝時代の宝篋印塔の形式を偲び、外鳥居をくぐると、輪橋と呼ばれる立派な朱色の橋がありました。残念ながらここは通行不可でした。本殿でお参りした後、中世の遺物を探しに向かいます。ここでは、中世の石柱を見ることができました。人の背丈より一回り大きなこの石柱は、鎌倉時代に大峯修験者によって建てられたものです。山伏たちに想いを馳せながら、焼きたての本格的なピザを食べて、次は宝来山神社に向かいました。

宝来山神社では、本殿にお参りした後、文覚井(もんがくゆ)という中世以来の農業用水を見学しました。井戸の井と書いて「ゆ」と発音するそうです。近くには後世に作られたと思われる溜池があり、水が蓄えられていました。中世に使われていた用水路が今も現役で使われている様子を見ることができ、中世と現代の接続を垣間見ることができました。

午後には、この旅の最後の目的地である、根来寺に向かいました。根来寺では、岩出市教育委員会の本多元成さんに案内・解説をしていただきました。根来寺の歴史や建築物、さらには発掘調査の成果や地元での観光・広報の取り組みに至るまで、実体験を交えながら丁寧にご教授くださり、非常に勉強になりました。本当に感謝の気持ちで胸がいっぱいです。
見学は、岩出市民俗資料館から始まりました。岩出市地域の歴史を概観し、鉄砲や水運を通して紀州が日本の歴史に与えた影響の大きさを実感しました。根来寺の見学では、大塔や大伝法堂、大師堂といった中世の根来寺をそのまま伝えているエリアから見学しました。特に大塔は、1547年に建てられたものが現存しており、国宝に指定されています。ここで本多さんは、大塔が斜面を切り開いて造成した土地に築かれていることを、実際に目で見て分かる場所に案内してくださいました。大塔の周りをぐるっと一周しながら、基礎の部分に注目してみると、岩盤を削りのこしていることが分かりました。こうして知識と目で見たものが結び付くことは、実際に現地を訪れる魅力の1つですね。

最後に、本多さんは発掘調査によって明らかになった半地下室をリアルに再現したレプリカの展示に案内してくださいました。根来寺の多くの建物に半地下室が備えられていました。しかし、秀吉の根来寺焼討ちによって境内の施設のほとんどが破壊されました。地面の下からは焼けた土の層が発掘され、兵火の大きさを物語っています。また、半地下室の遺跡からは、大人一人がまるまる入ってしまうくらいの巨大な大甕がいくつも発見されました。根来寺の経済力の豊かさを示しているこの大甕からは、味噌が発見されました。同時に大豆や大麦などの穀物も発見され、味噌を貯蔵していただけでなく、生産していたと考えられています。本多さんは展示に至るまでの苦労について、実体験を交えながら説明してくださいました。
ゼミ長Hから一言。2日間のゼミ合宿では、短時間ではあったもののたくさんの史跡に訪れることができました。大学での講義では味わえない、実際に現地で歴史の息吹を感じる貴重な体験ができたのではないでしょうか。 また、今回の合宿を通じて、ゼミのメンバー同士の絆も一層深まったように感じています。共に学び、共に語り合った時間は、大学生ならではの経験でした。 またこのメンバーで合宿に行きたいです!
