大学院生からみた北條学部ゼミ・院ゼミ
大学院博士前期課程1年 中村航太郎 〈2014年度版〉
北條ゼミの活動内容は、何に取り組むか・どのようなことを学び取るかはゼミ生次第であるとも言えます。具体例を挙げつつ紹介していきます。
まず日頃のプレゼミ・ゼミについてです。2年次春学期の史学教養演習では、史料読解の前提となる基礎的知識・方法・技術の習得のために、史料集・叢書類・辞典・事典類を扱います。次の2年次秋学期の史料講読演習では、日本古代史の様々な基礎史料を対象にして、史料読解の実践を行います。3年次からのゼミでは、春学期は引き続き史料読解(2014年度は『類聚国史』の「災異部」)、秋学期は各々の卒論構想の報告を行います。これらの報告の大きな特徴は、各個人の興味関心が色濃く反映されるものであることです。というのも報告者は史料を読む際に、現代語にするだけではなく、その史料の中から自身の気になった点をさらに掘り下げて報告することになっています。よって、たとえ同じ史料を読んだとしても、それぞれの着眼点によって、報告される内容が多岐にわたるものとなるのです。
また、夏休みに2泊3日でゼミ旅行、冬から春の1日でフィールドワークを行っています。その行き先・内容はその年のゼミ生が中心となって決めます。ゼミ旅行の行き先は、過去5年の事例を挙げると、2009年度:伊勢・熊野、2010年度:奈良・飛鳥・京都、2011年度:東北(遠野・花巻・平泉・仙台)、2012年度:広島・出雲、2013年度:長野(諏訪・戸隠)でした。旅先では、現地に赴くだけではなく、仙台では東北学院大学にて文化財レスキューの活動に参加したり、出雲では古代出雲歴史博物館で先生の旧知の学芸員の方に博物館展示についてお話をうかがったりと内容も多様です。フィールドワークも同様に、ゼミ生の興味関心によって毎年異なる行き先となっています。
これらの課外活動にはプレゼミ生から大学院生まで参加できますし、また日頃のゼミにも3年生だけでなく4年生や大学院生も出席しアドバイスを行ったり議論に加わったりするなど、縦の繋がりの存在も北條ゼミの特色だといえるでしょう。逆に学部4年生でも希望して大学院のゼミに参加している者もおります。
大学院の北條ゼミでは、『法苑珠林』というテキストの輪読を行っています。
『法苑珠林』とは中国唐代の仏教類書であり、六朝~隋唐期における仏教理解の集大成ともいえる書物です。この六朝~隋唐期は、儒教・仏教・道教の有機的交渉において極めて重要な時期であり、後の中国文化を規定する枠組みが形成されたとされ、それは日本を含む周辺諸地域である東アジアにおいても同様でした。日本列島の古代文化史上の諸特徴のうち、神仏を讃える語句・斎日斎戒の念・神仏交渉・その他説話・伝承の言説形式など、六朝~隋唐期に起源すると指摘されるものは多く、よって、列島の文化のオリジンとその伝播・成立過程を考えるうえで、日本史研究においても考える上でも極めて重要だといえるため、日本古代史ゼミですがこの『法苑珠林』を扱っております。この訳注作業はWeb上で随時公開してゆくことになっており、『法苑珠林』の詳細な概要についても下記のURL にて参照していただけます(http://houonjurin.blogspot.jp/)。この院ゼミは、日本史専攻のみならず東洋史専攻や文学・宗教学の研究者、北條ゼミOBや学部生など幅広い分野・属性の人々が参加しており、多彩な観点から議論が行われております。そのため、質疑応答を通して新たな気付きが生まれることが多々ある有意義な時間となっております。2014年度現在では15名前後が参加しており、部屋が熱気にあふれています。
このように、北條ゼミはゼミ生各々の意欲に応えるゼミです。それぞれの興味関心によって、私たちの活動は多彩なものとなりえますし、そのサポート体制は整っています。そして北條先生も、皆の多様な興味関心を伸ばすべく指導してくださる上に、質問や相談などにとてもご丁寧に対応してくださいます。
あなたもぜひ北條ゼミで自身の興味関心のあることをつきつめてみませんか?

2009年大妻女子大学・草稿テキスト研究所にて