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2011.08.20

留学レポート(中国・北京大学)

 若泉もえな (2年)

 私は今年の春休みに、一か月間北京大学の短期語学講座に参加した。大学で中国近現代史を専攻としているので、これから様々な文献を読むにあたり中国語のレベルアップの必要性を痛感していた。また中国がどのような国なのか実際に確かめたいと思い、この講座への参加を決めた。

 滞在時のスケジュールは、午前中は授業で、午後と土日は自由時間だった。授業は文法のクラスと会話のクラスがあった。授業はすべて中国語で行われるため、最初はついていくのに必死だった。また毎日単語の復習テストがあり、まさしく中国語漬けの日々であった。授業以外には大学側が北京大学の学生との交流会を開いてくれた。さらにチューターとして数回ほど北京大学の学生が個別で中国語を指導してくれた。北京大学の学生と話していて常々感心したことは、学ぶことに高い向上心を持っているということだ。話した中には日本語を学んで一年にも関わらず、とても流暢な日本語を話していた学生もいて驚いた。また日本の文化にも関心があり、こちらが思っている以上に詳しかった。こうした交流を通して、私自身同世代として非常に刺激を受けた。

 北京滞在中の3月11日、東日本大震災が発生した。家族と連絡は取れたものの、テレビから見る日本の悲惨な現状に大きな不安を抱いた。あの日以来中国のニュース番組では朝から晩まで地震の話題で持ちきりだった。地震発生から数日後、北京大学に長期で滞在している日本人留学生の方々から東日本大震災への募金活動の呼びかけがあった。日本から離れ、中国のメディアやネットを通してのみでしか日本の様子がわからなかった状態だったが、その呼びかけを受けてもちろん参加することにした。呼びかけに対して沢山の中国の方々が募金をしてくれた。さらに中国のみでなく、韓国など様々な地域の留学生がお金を入れてくれた。募金活動以外でも、多くの中国の方々が地震に関して声をかけてくれた。北京大学の先生や学生、お店の店員さんにタクシーの運転手まで、私が日本人とわかると地震に対する心配の声をかけてくれて非常に感動した。

 今回の留学は、語学の習得はもちろん、中国人が日本に対して抱いている印象を改めて考える良いきっかけになったと思う。町中では日本の雑誌を見かけたり、日本の文化に対して関心が高い人々がいる一方、テレビでは軍事ドラマが流れていたりする一面もあった。しかし、最も印象深かったのは地震の日以来、隣国日本の状況を親身になって心配してくれた中国人の姿だった。隣国でありながら、日中間は複雑な歴史を抱えている。私は中国の方々との関わりを通して、「草の根の交流」が大切であると改めて考えさせられた。この留学体験で得た貴重な経験を忘れずに、これからも勉学に励んでいきたいと思う。