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2011.05.12

井上ゼミ紹介

学部3年 宇田川 千彰 〈2011年度版〉

 井上ゼミは、西洋近現代史が研究対象です。二年次の「史学教養演習」では、まずテーマ別にまとめられた研究論文集のシリーズのなかで、近現代史にあたるものを分担して読破します(私たちの学年は、『岩波講座 世界歴史』でした)。そして、各々が、選んだ一冊のなかから、さらに西洋史の論文を三本選び、それらをまとめて資料をつくり、一人で一授業を担当して発表を行います。発表後、発表者以外の人が、聴いていて見つけた改善点や良かった点を挙げたり、また疑問点を指摘してそれに発表者が答えたりします。学期末には、選択した文献全体を読み、書評を書くことが課題となります。このようにして、春学期にはレジュメの作り方、注のつけ方、プレゼンの仕方、書評の書き方の実習を行っています。「原書講読」では、ドイツ語の文献を読んでいきますが、私たちの学年は、ナチス下を生きた人が当時を振り返って著した伝記的なものを扱いました。また、これらの中心的な活動とは別に、時々、ナチス研究関係や、歴史学関係の比較的短い文章を読み、それについての各自のコメントをもとに、ゼミ生同士で意見の交換も行います。

 三年次では現在(5月)、「卒論構想発表会」で先輩方の現段階での卒論の構想の発表を聴き、二年次の演習と同じように、質疑応答や意見発表をしています。また、これから英語文献でナチスのエリート達の伝記を読んでいく予定です。その他に、自分の卒業論文に向けて集中的読書をし、10冊分のブックレポートを書いています。

 このように、井上ゼミでは、基礎的な知識や、実践的な方法を習得し、卒論への道筋を意識してつくっていくことができますが、それにとどまらず、これから先どこにおいても必要とされる「問いを発見する力」を身につける機会が多くあることも魅力的だと思っています。発表をしたり、それに対する意見を発言したり、意見交換をすることが、「問いを発見する力」を育む場であることはもちろん、どうしても文法や訳の正誤ばかりに目がいってしまいがちな「原書講読」でも、井上先生はそうした狭まってしまった私たちの視界を広げ、著者の意図や、提示されている問題へと目を向けさせくれます。また、実際に意見を言ってみると、つい冗長になってしまったり、うまくまとめられなかったりと、熟考して書くこととは違った難しさと無力さを感ぜずにはいられませんが、発言の場が多く設けられていることで、発言の力も養っていくことができます。そして、他のゼミ生との質疑応答や意見交換や、井上先生の考えも聴くことによって、新たな視点とたくさん出会うこともできます。また、同じゼミに所属する学生でも、地域や切り口など興味の対象が多彩なので、皆と話をすることにも、意義深いものがあります。私は、井上ゼミは魅力的なゼミだと思っています。