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2011.04.08

新入生への言葉

史学科では1年生59名、編入生1名、大学院史学専攻では博士前期課程10名、後期課程1名を新たに迎えて2011年度がはじまりました。4月4日の学科集会では、川村学科長より新入生に向けて次のような言葉が送られました。




新入生への言葉
          史学科長 川村信三

 ご入学おめでとうございます。今年は戦後はじめて入学式が行われなかった年となりました。しかし、定員どおりの新入生を迎えることができ心から喜んでいます。今般の東日本大震災では多くの方が家、家族、そして職場や学校を失いました。原発の事故はいまだ先の見えない状況です。そんななか、大学生としてあなたがたを送り出してくださった、ご両親、先生、恩人、友人の皆さんに心から感謝し、その心を糧に、勉学にも友達との親睦にも全力をつくしてください。新入生へのことばとして三つのことを申し上げたいと思います。以下その要点を示します。

1.「必然」ということ。
 人生は「偶然」のつみかさねでしょうか。そうは思いません。すべてが「必然」であると私は考えています。その意味は、どんな些細なこと、日常のつまらぬことにしても、すべてに「自分にとっての意味」があるということです。皆さんは、上智大学が第一志望だったかどうか、史学科に入りたかったかどうかはわかりません。しかし、自分はここに来るはずではなかったとか、自分の道は別にあると考えても、現実は、今、目の前にあるものしかありえません。この境遇に至ったのは「必然」であり、そこになにか「意味」を見いだす人はかならず、この場で「生きる」ことを始めます。そうすれば、この場こそ自分にとって大事な「意味」ある場所であり、隣に、何気なく座っている友人が、かけがえのない重要人物に思えてきます。先生との出会いもそうです。私たちは、長い歴史、多くの国の中から、2011年の日本の東京の上智大学に「現実」にいるという「必然」をうけたのです。そこにこそ「自分が生きる」意味があると思いませんか。そう思える人とは必ず「幸福」な大学生活、人生を送ることでしょう。私たちは「不幸」になるために生まれてきたのではありません。「幸福」を約束されているのです。ただし、目の前の「意味」を見つけることができる人だけにゆるされている特権ではありますが。

2.「アファメーション」という考え方
 先日、面白い本を見つけました。そこには、「アファメーション」(affirmation)という考え方が説明してありました。それは、今から後、5年なり10年後の成功している自分をイメージしてみるということです。「こうなりたい」ではなく「こうなっています」と完了形で自分にプレッシャーを与えます。そうすると、脳内スイッチがはいり、あらゆることをその「自己肯定」に結びつく準備に精神が動き出すのだそうです。「どうせできない」と思っているうちは何もできません。やめてしまえばすべては終わりで何も生まれません。常に「こうなる自分」を意識することで、ほんとうにそうなることが多くの人の例で実証されているというのです。オバマ大統領のYes, We can.は、アファメーションを全国民に与えることで、希望のメッセージとなりました。事実アメリカは、一時の停滞状態から抜け出したではありませんか。
 史学科に入学した皆さん。どうか、早い内に、自分のアファメーションを見いだしてください。4年後「こうなっています」というものを見つけてください。きっと、あなたはそうなっています。それは人生への動機付けであり、「やる気」でもあります。「自分はどうせだめだ」と考えている人に、いったい何ができるというのでしょうか。

3.挨拶はあなたを生かす。
 毎年新入生に言っていることです。今、まわりにいる先生の顔をよく覚えてください。そして道であったらかならず挨拶をしましょう。友達同士でも挨拶しましょう。先生方は、挨拶されて、はじめは「誰だったか」と怪訝な反応をするかもしれません。なにしろ、多くの新入生に囲まれているのですから。しかし、それにめげず、二度、三度、挨拶をくりかえすうちに、笑顔で挨拶が返ってくるでしょう。そうすれば、すべてはうまくいったも同じ。人間はそうやって生きていくのです。最近、一部の若者のなかには、一日のうちで最初にあった瞬間に「おはようございます」という習慣が流行っています。これはテレビタレントや飲食店の習慣でしょうか。しかし、まともな若者は、午前中には「おはようございます」、午後には「こんにちは」、別れるときには「さようなら」をはっきりいえるはずです。それは、その学生が、正しい生き方をしている証明でもあります。上智大学史学科生はこの「正しい挨拶のできる若者」となってもらいたいものです。

 以上、これからの4年間を有意義に過ごせるよう祈ります。