長田 彰文 (ながた あきふみ) 日本外交史、アジア太平洋国際政治史 〈2010年度版〉
日本近現代史というと、何を思い浮かべるでしょうか。私から見ると、現在進行形の出来事・問題の根源をさかのぼる作業ということになりましょう。私の個人的研究との関連で、いくつかの例を挙げてみます。日本にはなぜ在日米軍があり、特に沖縄に集中しているのでしょうか。日本には、いわゆる在日韓国・朝鮮人が数十万人いますが、なぜなのでしょうか。太平洋戦争で敗戦国となった日本には一つの政府しかない一方、隣の朝鮮半島では現在も韓国と北朝鮮の二つの政府がありますが、なぜなのでしょうか。
私もふくめた日本に住む人びとにとって無関係ではありえないたとえば以上のような現在進行形の出来事・問題を探ろうとする時、現在だけを見ても、問題の本質や解決のための糸口は見つかりません。そこで、いかなる歴史的経緯を経て現在のような状況になったのかを見る必要が出てくるわけです。そのために必要な史料に関して、日本は制約も少なくなく、限界を感じることもしばしばです。他方で、誰でも見られるにもかかわらず、まだ誰にも発掘されていない史料も多くあり、そうした史料の発掘によって新たな事実が明らかになることがあること、そのことによって現在進行形の出来事・事件に一石を投じ、影響をあたえることなどがあることも、日本近現代史を勉強する醍醐味ともいえるでしょう。 (2009年3月)
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